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米国におけるいわゆるパップスキャンダルや細胞検査士不足といった社会的背景を基盤として登場した液状化検体細胞診(Liquid-based cytology: 以下LBC)は、米国の子宮頸部細胞診検査のほぼ全部を、欧州の約3割を現在占めるに至っている。本邦においてもLBC採用施設は着実に増えつつある。LBCでは、同一検体を用いて細胞診標本作成、免疫染色(p16, Ki67など)、HPVタイピング検査を行うことができ、今後はLBCを用いた多面的な検査が子宮頸部検査、あるいはスクリーニングの主流となることは容易に想像できる。
LBCでは検体採取後の標本乾燥がない、血球や夾雑物が取り除かれるといった標本作成過程での不適切標本の発生が大幅に減少するが、一方で細胞重積性が失われる、壊死・炎症細胞が取り除かれるといった、従来細胞診断において指標としてきた所見が失われる、あるいは変化することがあるので、LBC用のスライド検鏡方法を習得する必要がある。大集団ではなく個々の細胞形態を中心に所見をとり、N/C比、クロマチンパターンの変化、小集塊内での細胞配列を観察することがLBC標本での正確な細胞診断につながるので、従来法と異なる細胞診標本を観察することを念頭において検鏡に臨む必要がある。
本アトラスは、Cell prep®LBCをこれから開始する施設の細胞診専門医、細胞検査士の方々を対象とし、従来法との相違点、検鏡の進め方について実際の症例をもとにした解説書として作成開始した。結果的には、子宮頸部病変を網羅的に解説し従来法とLBCの異同を分かりやすく解説するアトラスが出来上がったと自負している。LBCには各種共通の特徴も多いので、本アトラスはCell prep®以外のLBC 採用施設の方々、またこれから子宮頸部細胞診を勉強しようとしている医師、臨床検査技師の方々にも十分役立つアトラスであることを確信している。(本書『諸言』より抜粋)
- 第1章 CellprepⓇ システムの概要
- 第2章 CellprepⓇ システムの基本性能
- 第3章 CellprepⓇ の細胞像
1. NILM
症例1 正常
症例2 頸管腺
症例3 細菌
症例4 トリコモナス感染/カンジタ感染
症例5 炎症
症例6 萎縮
症例7 扁平上皮化生
症例8 扁平上皮化生
症例9 扁平上皮化生
2. ASC-US
症例10
症例11
3. ASC-H
症例12
症例13
4. LSIL
症例14 CIN1(軽度異形成)
症例15 CIN1(軽度異形成)
5. HSLI
症例16 CIN2(中等度異形成)
症例17 CIN2(中等度異形成)
症例18 CIN2(中等度異形成)
症例19 CIN3(高度異形成)
症例20 CIN3(高度異形成)
症例21 CIS(上皮内癌)
症例22 CIS〜MIC(上皮内癌~微小浸潤癌)
6. SCC
症例23 MIC〜SCC(微小浸潤癌~浸潤性扁平上皮癌)
症例24
症例25
症例26
症例27
7. 腺系病変
症例28 AGC(異型腺細胞)
症例29 AIS(上皮内腺癌)
症例30 AIS〜Adenocarcinoma(上皮内腺癌~浸潤性腺癌)
症例31 Adenocarcinoma(腺癌)
症例32 Adenocarcinoma(腺癌)
症例33 Adenocarcinoma(胃型粘液性腺癌)
症例34 Adenocarcinoma(類内膜腺癌)
症例35 Adenocarcinoma(漿液性腺癌)
症例36 Adenocarcinoma(明細胞腺癌)
8. 子宮頸部の免疫染色(CINtec® PLUS)
症例37 ASC-US
症例38 LSIL(CIN1)
症例39 HSIL(CIN2)
症例40 HSIL(CIN2〜3)
症例41 HSIL(CIN3)- 第4章 CellprepⓇ による細胞診判定の注意