部分的アプローチと全顎的アプローチ
昭和48年 日本大学歯学部卒業
48~52年 有賀歯科勤務(杉並区)
52~54年 中島矯正歯科勤務(文京区湯島)
55年 百瀬歯科開設(北区東十条)
平成6年 日本矯正歯科学会 認定医取得
平成11年 王子神谷矯正歯科開設(北区王子)
代表著書:MTMチェアーサイドマニュアル(ヒョーロン)
東京都新宿区南元町4番地
03-3353-4311
豊中市新千里東町1丁目4番5号
06-6873-2010(代表)
会員 | 9,000円(テキスト代含む) |
一般歯科医師 | 35,000円(テキスト代含む) |
一般衛生士 | 15,000円(テキスト代含む) |
矯正治療の目的として,審美的改善や顎機能の改善がありますが,全顎矯正ではセファロ・模型等の診断からディスクレパンシーや前突の状態を診断し,これらの目的を達成します。MTMで審美的改善を得るためには,ディスクレパンシーやオーバーバイト・オーバージェットの改善を限局的に行う必要がありますが,その場合には困難性や限界があります。そこで,ジャックシェリダンが提唱したエアータービンの切削によってスペースを作るエアーローターストリッピング(ARS)の手法を前歯部に使ってスペースを確保した後に,叢生の改善や上顎前突または下顎前突の改善を行います。安定した審美的な咬合を得るためには,同時に臼歯部の機能的な咬合も考慮する必要があります。MTMとは言え,診断と治療方針を立てるためには全顎的な咬合の改善がベースになければならないと思います。前歯部の審美的改善を得るためのMTMの診断・治療方法を全顎的矯正から探ることが大切です。全顎的な咬合の診断をした上でどこにMTMが必要か,どこに補綴が必要かなど,矯正と補綴のコンビネーションした様々な手段を使って咬合の再構築ができます。
また,最近の矯正材料の発達により比較的容易にこれらのコントロールを行うことができます。
今回は以前お伝えしたような一歯単位の歯牙移動に加え,審美的・機能的咬合を獲得するための総合的な診断と治療方針を立てる方法をお話しし,顎機能の改善や顎関節症等の改善の仕方も症例を通じてわかりやすくお話しします。MTMを導入することで,皆様の臨床の質が向上するようにと願っております。