その痛み、本当に歯が原因ですか?
静岡市立清水病院 口腔外科
米国口腔顔面痛学会認定医・会員
日本顎関節学会認定医・日本頭痛学会専門医
10:00~13:00
1.はじめに
1)口腔顔面痛(OFP)の概念
・TMDからOFPへ
・AxisⅠ(身体疾患)とAxisⅡ(精神疾患)
2)痛みの評価法
2.AxisⅠ(身体疾患)
※国際頭痛分類Ⅱ(ICHD-Ⅱ)の解説
1)一次性頭痛
・片頭痛
・緊張型頭痛
・群発頭痛
2)側頭動脈炎
3)鎮痛薬乱用頭痛
4)発作性神経痛
・三叉神経痛
・舌咽神経痛
5)急性上顎洞炎
6)帯状疱疹
7)視床痛(中枢痛)
13:00~14:00昼休憩
14:00~16:00
3.AxisⅡ(精神疾患)
※米国精神医学会DSM-IV-TR分類の解説
1)身体表現性障害
・疼痛性障害(非定型歯痛・非定型顔面痛)
・身体化障害
・心気症
・鑑別不能型身体表現性障害
・身体醜形障害
2)大うつ病性障害
3)妄想性障害
4)人格障害
東京都新宿区南元町4番地
03-3353-4311
〒541-0053 大阪市中央区本町1-4-5
06-6264-9800(代)
※法人会員所属の歯科衛生士 9,000円(テキスト代含む、税別)
「患者が執拗に痛みを訴えているのに、該当する歯には全く異常が認められない。やむを得ず(抜歯)をしたが、痛みは止まらない。」
「歯痛に顔面痛や頭痛も加わって、歯科的知識だけでは対応できず、診断に苦慮した。」
「インプラントや補綴治療の直後から、患者がめまい、耳鳴り、気分の落ち込みなどを訴え始め、訴訟になりかかっている。」
以上のような問題に遭遇して、途方に暮れたことはありませんか?歯痛や顎関節症のように見えても、このような訴えは、実際には、医科的な疾患が原因で生じていることが多いことがわかってきました。
「口腔顔面痛(Orofacial Pain)」はきわめて臨床的な分野で、講演では以下のような疾患を取り上げます:上顎最後臼歯の激痛と感じられる「群発頭痛」、顎関節に酷似した臨床像を示す「舌咽神経痛」、顎関節症と誤診しやすく、スプリント治療などで時間を無駄にすると失明をきたす「側頭動脈炎」、抜髄・抜歯をしても痛みがとまらず骨髄掻把にまで追い込まれる「非定型歯痛」、習慣的に鎮痛薬を飲んだために生じる「鎮痛薬乱用頭痛(顔面痛)」、口腔内不定愁訴で歯科医が訴訟に追い込まれることがあるいくつかの精神疾患、などです。
「知らない病気は診断できない」という名言がありますが、これらの疾患はきわめて特徴的なものが多いため、知ってさえいれば診断できるようになります。不必要な抜髄や抜歯をしてしまわないため、また訴訟に巻き込まれないための危機管理のためにも、即戦力となる実践的な知識です。