歯科・獣医セミナーの学際企画

No.PL711 COVID-19と非感染症の予防のための歯科医療の意義と対策

COVID-19と非感染症の予防のための歯科医療の意義と対策

講師

花田 信弘 先生

鶴見大学歯学部 探索歯学講座 教授

【略歴】

  • 1981年         九州歯科大学歯学部卒業
  • 1985年         九州歯科大学大学院歯学研究科修了
  • 1985年         九州歯科大学口腔衛生学講座 助手
  • 1987年         米国ノースウエスタン大学博士研究員
  • 1990年         岩手医科大学歯学部 助教授
  • 2002年         国立感染症研究所口腔科学部 部長
  • 2008年         鶴見大学歯学部探索歯学講座 教授
  • 現在に至る

【著書】

  • 臨床歯科栄養学(口腔保健協会)2018/11
  • ゼロからわかる小児う蝕予防の最前線(クインテッセンス出版)2018/4
  • 歯周病が寿命を縮める(法研)2017/5
  • 歯科発 アクティブライフプロモーション(デンタルダイヤモンド社)2017/4
  • 白米が健康寿命を縮める(光文社)2015/12 他

プログラム

  1. COVID-19と口腔の関係
  2. COVID-19と酸化ストレスの関係
  3. COVID-19と歯科医療の関係
  4. 非感染症(≒生活習慣病)と口腔の関係
  5. 抗酸化物質の摂取による酸化ストレスの除去
  6. Dental Drug Delivery System (3DS)の意義

収録日

2021年2月21日(日)

収録時間

4:33:54

プレイバック受講料

法人・個人会員9,000円(税込9,900円)ご入会はこちら
ウェブ会員12,000円(税込13,200円)ご入会はこちら
※視聴期間:2024.1/1〜12/31まで
※テキストは付属しません

開催にあたって

これまでの研究は、歯科疾患や口腔細菌と糖尿病など非感染症(≒生活習慣病)の関連を示しています。歯科疾患や口腔細菌が慢性炎症を引き起こし体内に酸化ストレスを蓄積するからです。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は人間の体内の慢性炎症と酸化ストレスが発症と重症化に関わっています。一般にCOVID-19が重症化する原因は基礎疾患と言われていますが、その理由は基礎疾患が慢性炎症と酸化ストレスを蓄積するからです。
近年、ガレクチン-3(Gal-3)により炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6とTNF-α)が高発現して組織が炎症状態になることがわかりました。この状態はCOVID-19の重症化につながります。また、Gal-3はインスリン受容体と直接結合することがわかりました。この状態は糖尿病を招きます。Gal-3はマクロファージが産生し歯周病菌のLPS(エンドトキシン)刺激で増加します。従って、歯周病を予防し、歯周病菌を口腔から除菌してマクロファージに対するLPS刺激を防ぎGal-3の高発現を抑える必要があります。
本講演では、口腔に由来する慢性炎症と酸化ストレスを除去することが感染症と非感染症の予防につながることについて解説します。さらに慢性炎症と酸化ストレスを除去する歯科医療技術としてのDental Drug Delivery System (3DS)の意義をご紹介します。

※講師の所属は開催日時点のものです。