歯科・獣医セミナーの学際企画

No.GS109 慢性肝疾患の病態発生とその治療の実際

慢性肝疾患の病態発生とその治療の実際

講師

鷲巣 月美 先生日本獣医生命科学大学 獣医臨床病理学 准教授鳥巣 至道 先生日本獣医生命科学大学 獣医高度医療学 特別研究員

プログラム

10:00~16:00(途中、昼食休憩含む)
1.慢性肝疾患の病態発生メカニズムと検査結果の評価
  1. 肝酵素が上昇した時、肝臓ではどんなことが起きているのか?
  2. 肝酵素の上昇だけでは肝機能障害の診断はできない
2.適切な治療法および治療薬の選択
  1. 食事療法
  2. 薬物療法
3.胆嚢疾患に対するアプローチ

開催日時・会場

東京会場

平成20年7月6日(日)

昭和女子大学大会議室

東京都世田谷区太子堂1-7

03-3411-5123(学園本部総務部)

  • 地下鉄:渋谷駅より東急田園都市線で2つ目「三軒茶屋駅」下車、徒歩8分
  • バス:渋谷駅南口バスターミナルより三軒茶屋方向、「昭和女子大学前」下車

大阪会場

平成20年6月29日(日)

大阪科学技術センター

大阪市西区靭本町1-8-4

06-6443-5321

【大阪駅・新大阪駅から】

  • 地下鉄御堂筋線本町駅下車、2番出口、西へ徒歩7分
  • 地下鉄四ッ橋線本町駅下車、28番出口、北へ徒歩3分
  • 地下鉄四ッ橋線肥後橋駅下車、7番出口、南へ徒歩5分

【天王寺・難波駅から】

  • 地下鉄御堂筋線本町駅下車、2番出口、西へ徒歩7分
  • 地下鉄四ッ橋線本町駅下車、28番出口、北へ徒歩3分

受講料

会員:   9,000円 (テキスト代含む)
一般: 19,000円 (テキスト代含む)

※昼食は各自にてお願い致します。

開催にあたって

日常の診療の中で、肝酵素が上昇している症例に遭遇することは稀なことではありません。肝疾患の診断には肝酵素の測定は不可欠ですが、「肝酵素の上昇」の解釈には注意が必要です。肝酵素の上昇は必ずしも肝疾患の存在を意味するものではなく、他の様々な病態においても見られる変化です。たとえば、肝臓以外の体内のどこかに炎症や腫瘍がある場合でも肝酵素は上昇します。したがって、まずこれら二次性、反応性肝障害を除外し、その次のステップとしてどのような機序で肝臓が障害されているのかを調べる必要があります。

次に肝酵素の上昇と肝機能障害とは異なります。肝酵素の上昇が本来の肝疾患によるものであったとしても、必ずしも肝機能障害が存在することを意味するものではありません。肝酵素の上昇がみられただけで、肝性脳症をコントロールするために作られた蛋白制限食を給与することは間違いであり、給与に当たっては適応症例を正しく選択しなければなりません。様々な治療薬を使って肝疾患の治療が行われていますが、適切な栄養補給がすべての治療の基礎となることを忘れてはなりません。

犬の慢性肝疾患/障害としては慢性肝炎、肝線維症、先天性肝血管異常、胆嚢/胆道系疾患、空胞性肝障害などがあげられますが、今回はこれら慢性肝疾患の病態発生とその治療について症例を交えお話しします。

※講師の所属は開催日時点のものです。