皮膚病が治らない場合は、理由があります。
これを読まれている先生は、どのように診断をされますか?
どのように治療の選択をされていますか?
飼い主様に説明しないといけない、または相談しないといけないポイントはお伝えできていますか?
ホームドクターが普段遭遇しがちな原因を提示するとともに、オクラシチニブが効かないときにどう考えるか?
など、すぐにでも臨床に取り入れていただけるような解決方法をご紹介させて頂きます。
本講演が、日頃の臨床現場での対応のヒントになれば幸いです。
アジア獣医皮膚科 専門医
ずばり、私にとっては、皮膚ほど興味深い臓器はないからです。皮膚は、心と身体、そして、環境という3つの影響を受け、それらを目に見える病変として表します。すなわち、皮膚が語るそれらの影響を、主に目で見て、更に触って、匂いをかいで、また、病理組織というミクロな視点から、探ることができるのです。そんな臓器は皮膚以外にはありません。皮膚科に完全に魅了された時には、まだ、専門医制度が完成しておりませんでしたが、どうせなるなら専門医に、ということで、皮膚科専門病院で下積みをして、待ちに待った甲斐もあり、皮膚科で最初にアジア初のレジデント制度が始まり、念願かなって専門医になりました。
犬や猫の皮膚病は、その殆どが、治療により良好にコントロールされることを目標とする慢性疾患です。また、皮膚病は一見、簡単そうに見えますが、その見た目から診断に至るまでは、探偵や刑事にも似た証拠集めと理論に基づく推理、検査による裏付けが必要です。ですから、あの手この手をつくしてみたが、治らない、という現象に陥りやすいのです。これが今回のテーマですね。実際のところ、皮膚病が治らない理由には様々な原因があります。本講演では、一般診療の先生方が遭遇しがちな原因を提示すると共に、オクラシチニブが効かない時にどう考えるか?など、すぐにでも実践できるような解決方法をご紹介することにしました。全ての皮膚病というには時間が足りませんので、最も多い主訴である、犬の痒みに絞っています。
ベテラン獣医師、院長ともなると、診断や治療に関して、誰かが答え合わせをしてくれる訳ではなく、自ら、チェックするしかありません。そんな時は、微力ではございますが、専門医への紹介を検討して頂きたいですが、中々難しいこともあるかと思います。治らない時に診断や治療をどう修正するか、本講演が、そのヒントになれば幸いです。
2019年10月13日(日)
4:35:19
学際小動物セミナー会員限定(2024.1/1〜12/31まで) | 9,000円(税込9,900円)ご入会はこちら |
治療により改善するも、完治しない皮膚病を見て、「新しい治療法が必要だ」と考えたことはないでしょうか。実際、一般的な治療法では解決しない場合もありますが、治らない原因は様々です。同じ薬やシャンプーでも用量や用法が不適切であったり、治療が弱過ぎていたり、合併症が存在していたり、そもそも診断が間違っていることもあります。また、飼い主様とのミスコミュニケーションで治療が上手くいかない場合もあります。こうした治らない症例に遭遇した場合は、まず、一歩下がって、自分の診断や治療を客観的に見つめ直すことが大事です。そして、時には、治療を全てやめてみたり、真逆の治療をする勇気も必要です。
本講演では、犬の痒みを主訴とした日常疾患として膿皮症、アトピー性皮膚炎、そして外耳炎について、それらが治らない場合に、何を考え、どう対処すべきかを一般臨床の先生方の立場に立って解説すると共に、実際の症例を基に、なぜ治らないのか?その原因を読み解いていきます。明日からの診療に役立つ内容満載でお届けしたいと思います。皆様のご参加、お待ちしております。