編集者
・名倉 宏(東北大学大学院医学系研究科医科学専攻病理学講座病理形態学分野)
・長村 義之(東海大学医学部病態診断系病理診断学部門)
・堤 寛(藤田保健衛生大学医学部第一病理学講座)
B5判・カラー上製本・360頁
ISBN4-906514-43-X
定価:9,500円(税込10,450円)送料別
「酵素抗体法」初版が世にでて21年、改訂三版の発刊からもほぼ10年が経過しようとしている。このたび、「渡辺・中根 酵素抗体法」と題された改訂四版が上梓の運びとなった。
本書は、旧版のエッセンスを残しながらアップデートされ、最近発展・普及してきた新しい内容がたっぷりともりこまれている。図・写真はすべてカラー化され、若手研究者向けに、従来より小さめの文字サイズを使用し、また分冊だった三版からとり扱いやすい一冊へと変身をとげている。抗原性賦活化法のノウハウ、超高感度法の実用、病理診断への応用の際の落とし穴、諸種のトラブルシューティングなどが詳細に紹介されるとともに、廃棄物処理や倫理面にも言及され、現場で生じるであろう諸問題に対処する際に役だつことが期待される。
酵素抗体法の元祖的存在である渡辺慶一、中根一穂両先生の名を冠した本書が、実験室や検査室の机の上におかれ、実践書として染色液に汚れつつ、「正しい免疫組織化学染色」への指針として機能してくれることを念願する。
Ⅰ.序論
Ⅱ.酵素抗体法の原理
Ⅰ.抗体の性状と標識抗体
Ⅱ.抗体のとり扱い方と使用上の注意点
Ⅲ.モノクローナル抗体とその特性
Ⅳ.組織・細胞の固定
Ⅴ.切片の作製法
Ⅵ.必要な器具と試薬の作製法
Ⅰ.標識抗体法
Ⅱ.高感度染色法
Ⅲ.酵素抗体法染色に際して行う前処理
Ⅳ.特殊技法
Ⅴ.マウス組織に対してマウスモノクローナル抗体を用いるときの工夫
Ⅵ.患者血清を利用した免疫染色
Ⅶ.自動免疫染色装置
Ⅷ.対照のとり方と特異性の検定
Ⅰ.免疫電顕法の原理
Ⅱ.Pre‐embedding methodによる免疫電顕法の手技
Ⅲ.Post‐embedding methodによる免疫電顕法の手技
Ⅳ.免疫電顕二重染色
Ⅴ.電顕酵素抗体法を応用した特殊な観察法
Ⅰ.廃液の適正処理
Ⅱ.ヒトの手術・生検組織や細胞診検体を利用した免疫組織化学的研究に関する倫理上の問題