歯科・獣医セミナーの学際企画

No.PL208 日常診療における犬と猫の繁殖学・産科・小児科学の実際

日常診療における犬と猫の繁殖学・産科・小児科学の実際

繁殖疾患・分娩・新生子のケアから診療まで

日常診療における犬と猫の繁殖学・産科・小児科学の実際

講師

小嶋 佳彦 先生

小島動物病院アニマルウェルネスセンター 院長(新潟市開業)

プログラム

1.発情徴候と交尾からみた繁殖生理

  1. 犬の交尾はどうして尻合わせになるの?(犬の雌雄)
  2. 独特な猫の発情、犬との違い(猫の雌)
  3. 猫の陰茎にはどうしてトゲトゲ(棘)があるの?(猫の雄)
  4. 発情サイクル・腟細胞・ホルモン値の推移
  5. 犬の交配適期(犬の人工授精適期含む)

2.繁殖の人為的支配

  1. もう一度、学び直そう不妊手術と去勢手術(ホルモン剤による発情抑制・誤交配の処置・流産誘起含む)
  2. 犬の不妊症と新鮮精液による人工授精
  • 精液の採取~人工授精(腟内授精・子宮内授精)
  • 妊娠診断

3.雄の生殖器と繁殖疾患

  1. 陰嚢の疾患
  2. 精巣の疾患
  3. 外部生殖器の疾患
  4. 副生殖腺の疾患

4.雌の生殖器と繁殖疾患

  1. 卵巣の疾患
  2. 子宮の疾患
  3. 腟の疾患
  4. 外陰部の疾患

5.乳腺の疾患

  1. 偽妊娠
  2. 無乳症
  3. 乳漏
  4. 乳汁うっ滞
  5. 乳腺炎
  6. 卵巣摘出後の乳腺の腫脹など

6.妊娠期の疾患および正常分娩と難産そして帝王切開

  1. 妊娠期の疾患
  2. 自然分娩
  3. 難産
  4. 帝王切開

7.新生子の治療と繁殖学領域における遺伝性疾患

  1. 新生子の治療とケア
  2. 繁殖学領域における遺伝性疾患

8.動物看護師への対応、産科・小児科領域これだけはマスターしてもらおう!

  1. 腟鏡の使い方
  2. 腟細胞の採取法と鏡検
  3. 精液と前立腺液の採取法
  4. 自然分娩の観察と分娩後の観察
  5. 新生子の看護(帝王切開した新生子に対するケア・母親のいない新生子の看護・新生子の授乳・新生子の排泄)
  6. 前立腺の触診による観察

収録日

2017年6月11日(日)

収録時間

3:52:50

プレイバック受講料

学際小動物セミナー会員限定(2024.1/1〜12/31まで)9,000円(税込9,900円)ご入会はこちら
※テキストは付属しません

開催にあたって

 生殖器病学また繁殖学(産科学含む)は疾患を雄と雌で分けて考える唯一の学問です。
 家庭動物医療における繁殖学は、ほかの分野に比べて書籍をはじめ、学会報告や症例発表も少ないのが現状です。この分野の疾患は卵巣また卵巣子宮摘出術および精巣摘出術の普及により全国的には症例数の減少傾向があると思われます。しかし生殖器の手術、つまり卵巣子宮摘出術や精巣摘出術などは日常的に行われているのも事実です。症例は、決して少なくはないと思いますが、繁殖学は知っているようで意外と情報が少ない分野ともいえます。生殖器また繁殖学の症例の解決には、発情サイクルと腟細胞そして繁殖系ホルモンなどの繁殖生理を理解すると、ほぼすべてが解決するはずです。なお、ホルモン剤などの治療薬は実際の症例をとおして解説します。
 一方、小児科学を語るには、まず、胎子から新生子へと自然娩出または帝王切開によって、母体の外に出なければなりません。また母犬猫の疾患と新生子の症状については連動することが多い分野であり、その後の成長にも影響を与えます。このコーナーでは新生子のケアと繁殖学領域にみられる遺伝性疾患について解説します。

※講師の所属は開催日時点のものです。